1989年の「1.57ショック」以来、国・自治体双方のレベルで少子化対策や、子育て支援施策がすすめられています。ここ北九州市においても、子どもプラン、新子どもプランの策定、実施の中で、徐々に「子育てしやすい地域づくり」という生活課題が市民の目にみえるようになってきました。
北九州市では、2004年度「日本一子育てしやすいまち 北九州」のコンセプトのもと、市民参画で「次世代育成行動計画」策定をしています。
 そうした状況で、子育て支援の現場をみると、多くの親は、孤立感を抱え、育児不安を抱えていると考えられています。親の抱える不安感には、多種多様なものがありますが、それぞれの不安感に対処した施策が必要にも関わらず、支援者の視点による施策が行われており、子育て当事者と子育て支援者の間に、感覚の溝をつくっています。
 また、支援者は多いのに支援のネットワークがつながっていない、また、市内で支援の偏りがみられ地域格差がでてきていること、支援者の課題に対して、そのバックアップをする研究者や情報などリソースがつながるしくみがないこと、子育て当事者の視点から、支援者へのフィードバックができる仕組みがないことに気づきます。

 子どもがすくすくと育つ地域づくりは、私たちの心からの願いです。そして、子育てが自分を犠牲にしたものではなく、同時に養育者自身の人生にはかり知れない深みと豊かさをもたらす親育ち・自分育ちの営みであること、それをつつむ地域社会も、障害者や高齢者も含め様々な立場の人が、共に生きる時間と空間を持った居場所になりうることを、この子育て支援の方向性として確認しなければなりません。
 また、子育てをしている人は、「支援される対象」ではありません。潜在的な可能性を持っており、子育て中にそれを発揮しにくい状況にいるだけです。子育てが、共に支えあうなかで、もっと当たり前の営みになっていったら、養育者は活き活きと自分の可能性を拡げていくでしょう。そして、そのような養育者と子どもの姿は支援者自身の力をひきだす(エンパワメントする)のです。そのことに気づいた、多くの親や支援者や専門職が、手をつなぎ、知恵を出し合い、「親が育つ」「子どもが育つ」子育て支援の活動を始めています。そして、子育てネットワークは大きな広がりを生みつつあります。今、親も子も苦しむ環境にありながら、それを前向きにとらえ、のりこえていこうという動きがうまれています。今、まさに、子育てを社会全体で考える時期ではないかと考えます。

 私たち、北九州子育ち・親育ちエンパワメントセンターは、子育て支援とは何かを常に問い直しながら、市内外の子育て支援の人、情報、ソフトなどの様々なリソースを集積します。そして、支援の気持ちのある人が参画しやすいように、また、地域の施設を核とした地域の子育て支援が有効に機能するように、コンセプト、ノウハウ、資源、人材、スキルなどのあらゆる面での支援のコーディネートを行う中間支援組織として、新たな支援の仕組みを開発し発信していくことを通して、北九州市の子育てしやすい地域づくりに貢献していきます。そして、活動の広がりとともに、法人格が必要になりましたので、平成16年12月7日に設立総会を開催し、特定非営利活動法人 北九州子育ち・親育ちエンパワメントセンターを立ち上げることにしました。

平成16年12月 7日

  特定非営利活動法人 北九州子育ち・親育ちエンパワメントセンター
             代表 中村 雄美子
NPO法人 北九州子育ち・親育ちエンパワーメントセンター「Bee」
設立趣旨